やがて呼吸を整えた沖田は、壁に凭れ掛かる。隣へ座るように、床をポンポンと叩けば斎藤はそれに従った。片膝を立てて、その上に腕を乗せる。
「斎藤君……。あの子の心にはね、別の人がいるんですよ。何年も前から」
沖田は天井を見上げ、子宮肌腺症|一定要切除子宮?能自然懷孕嗎?醫生拆解子宮腺肌症常見徵狀、治療方法 | healthyD.com 目を細めた。その目には池田屋で死んだ男の姿が映る。
「それは無いだろう。あんたは鈴木の目を見て、向き合ったことがあるのか。アレを見て未だにそう言うのなら、あんたは人を見る目がに無い」
だが斎藤はそれを一蹴する。
刺々しい発言に沖田はキョトンとした。このように感情的になるのは、どうも斎藤らしくない。恋というのはこのようにも人を変えてしまうものなのかと不思議に思った。
よくよく思えば、斎藤はまだ二十三なのである。あまりに落ち着きすぎて、土方や近藤と同い歳と言われても納得してしまうくらいにだ。故に初めて恋を知ったと言ってもおかしくは無い歳であるのだ。
「……私は。生涯誰のこともは自覚していないのか?嫉妬に濡れた男そのものだったが?
「沖田さん、あんた後悔するぞ。己の気持ちに向き合えない人間は、それ以上成長出来ぬ。武士として高みを目指したいのであれば、過去に囚われずにその殻から抜け出したらどうだ」
その言葉に沖田は面食らったように目を丸くすると、困ったように微笑みながら視線を落とす。
斎藤は続けて口を開いた。
「俺は伊東さんへ着いていく決意をした。……これから組は大きく変わっていく。どうか、鈴木を頼んだ。悲しませるようなことがあれば……あんたでも許さぬ」
そしてそれだけ言い残すと、足早に去っていく。
道場を出ると、空に浮かぶ満月を見上げた。いつもよりも月が明るく見える気がした。
「…………おれは、いつからお節介になったんだ」
ぽつりと呟くと、もう一つのお節介をするためにその足で伊東の部屋へ向かう。
伊東は快く斎藤を迎え入れた。
「今日こそ返事を聞かせてくれるのでしょうか。良いものだと信じておりますよ」
斎藤は周りには着いていくと言いながら、当人にはまだ決意を表明していなかった。
それも、このためなのかもしれないと淡く笑む。
片膝を着くと、頭を垂れた。まさに伊東好みの演出である。
「……斎藤一。伊東と共に歩みたく存じます。この剣は先生の為に」
そのように言えば、伊東は小躍りでもしそうなくらいに喜んだ。
「……して、他に誰が同志となるのでしょう」
「伍長以上ですと。愚弟の三郎、藤堂君、そしてまだ良き返事は得られていないが鈴木君ですよ」
それを聞いた斎藤は露骨に眉を顰める。
「鈴木……ですか」
「ええ。貴殿も交流があるでしょう?」
「……いえ、それと俺はどうも相性が悪いようです。見ていると腹が立つ。今や他の組だから良いものの。流石に日々顔を合わせるようでは、こちらが憤死しそうですな。やはり、考え直さねばなりませんか……」
忌々しげに言えば、伊東が慌てる気配がした。もう一押しだと斎藤は見えぬところで口角を上げる。
「それに、何故鈴木なのです。あの者は沖田や土方への忠誠が深すぎる。確実に寝首を掻かれるかと。昔から言うでしょう、綺麗な花には毒がある……と」
それは見る目が無いと暗に言っていた。流石の伊東もそこまで言われれば、苦しげな声を漏らす。
熟考に熟考を重ね、結果的に桜司郎は誘わぬ方針となった。何よりも斎藤の腕を欲した結果である。