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が真っ赤になっている。
「俊春、もういい」
副長なら止めるであろうタイミングでかれを制止した。
「忘れるな」
そういうなり、かれの姿がその場からかき消えた。
開け放たれた窓から、notary public hong kong 微風が迷い込んできた。それが、室内の緊張感に冷たさをあたえる。
榎本は激しく咳き込みながら上半身を起こした。
長椅子の横を通り、まだ咳き込んでいる榎本にちかづいた。それから、文字通り上から目線で見下ろしてやった。
「弁天台場にゆき、隊士たちに副長の死を告げます。おれたちは、真実を知っている。このことを隊士たちが知れば、あなた方を恨みに思い、その背を狙いたくなるでしょう。いいえ、確実に狙います。「狂い犬」と同じようにね。この頸を、しっかりそのに焼き付けておいてください。それから、「狂い犬」の忠告を忘れないでください。かれの機嫌を損ねるようなことになれば、あなた方はもうおしまいだ。もはやかれをとめることができるは、この世にはいないのですから」
とどめの脅しをかけながら、両掌を伸ばして机の上から俊冬の頸を持ち上げ胸元に抱えた。
油断をすれば、涙があふれてくる。それを必死にとどめなければならなかった。
そして、なんの反応もなくフリーズしている榎本に背を向けた。
不測の事態に備え、島田の脚許で相棒が四肢を踏ん張っている。
長椅子の横を通り、島田とともに部屋をでてゆこうとした。
「主計、その……。土方君は……、土方君の死にざまは……」
背中に大鳥の問いがあたった。
一瞬、カッときた。
胸元の布にくるまれている俊冬の頸を見下ろす。
「それはもう立派な死にざまでした。抜刀し、先陣きって敵に向かっていったところをズドン、です。敵はきっと、自分が撃ったがあたったと勘違いしていることでしょう。本当は、そのではなく味方に背を撃たれたのですから」
振り返らずにそう答えてやった。
かれらもこれで、自分自身のやったことにたいしてなにがしか感じてくれるだろうか。
一生涯後悔し、罪悪感に苛まれつづければいいんだ。「榎本総裁。もしも京にくるようなことがあっても、わたしはけっして会いませんので。そのテカッテカの髪と髭を、もう二度とみたくありませんからね」
島田が忠告をした。
榎本は、きっと「!?」ってなっているだろう。
それから、島田と相棒とで榎本の執務室を去った。
「俊冬、俊春はちゃんと榎本総裁と大鳥陸軍奉行をびびらせたぞ。でも、プーはもらさなかったかも。におってこなかったから」
島田と相棒と肩を並べて廊下をあるきつつ、胸元の頸に語りかけた。
「あれだけびびらせてやったんだ。今宵のところは、あれで勘弁してやろう。なっ、俊冬?」
島田も相棒もをみている。
それから、俊春とおれは弁天台場へと急いだ。
俊冬の頸は、島田と相棒に託した。
潜伏している副長に届けてもらうのである。
そして、はそのまま副長のもとにいることになっている。
島田は、本来なら弁天台場で籠城した後に降伏するはずである。が、そこで降伏してしまえばそのまま敵の監視下に置かれてしまう。そうなれば、副長に会えなくなる。
だったら、最初から行かない方がいい。
中島と尾関も同様である。かれらもまた、副長と最後のひとときをすごしたいと思うのは当然である。
ちなみに、尾形はもともと蝦夷にはこなかったことになっている。
弁天台場では、一方的にやられまくった。
副長の戦死を伝えると、隊士たち全員のテンションが下がってしまった。つまり、戦う気力をなくしてしまった。
俊春はそんなおれたちを護りつつ、あいかわらず敵を翻弄しまくった。が、それもほんの束の間のことである。
副長が戦死した二日後、俊春は敵の使者を連れてきた。
そのころには、おれたちは史実通りほぼ籠城状態である。
箱館奉行であり弁天台場の指揮官である永井は、悔し涙をにじませつつ降伏を決意した。
俊春は、「榎本総裁も降伏に傾いています。ゆえに、これ以上の戦いは無意味です」とかれらを説いたのである。
そして、弁天台場が降伏をする今日、おれが新撰組最後の局長に昇進した。
なんと、お犬様の散歩係からの大出世である。
見事なまでの快進撃、華麗なる飛躍、だれもがうらやむ大成功である。