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debsy 3rin

一日を無事に終える度に三津は畳

一日を無事に終える度に三津は畳に額を押し当てて懺悔していた。

 

 

 

今日も生き延びてごめんなさい――…

 

 

土方と総司は今の三津からは想像も出来ない話に深く息を漏らした。

 

 

『私も一緒に死にたかったってそう言う事かよhttps://www.easycorp.com.hk/en/notary

思ってたより重いし深いじゃねぇかよ。』

 

 

土方の中で引っかかってたものがようやく解け始めた。

 

 

「こんな話を聞きに来はったと言う事は三津に何かあったんでしょうか。」

 

 

「ここ最近夜魘されてるようだったので何か原因があるのかなと。

三津さんは頑張り屋さんだからきっと疲れが溜まってるんでしょうね。」

 

 

不安そうなトキに総司は精一杯笑ってみせた。

 

 

 

「意外でしたね。」

 

 

屯所までの帰り道,総司がぽつりと呟いた。

 

 

「あいつに男がいた事がか?」

 

 

「それもですけど,あんな辛い事があったなんて。」

 

 

それもと言いながら大半は新平と言う恋仲の存在に衝撃を受けた。

 

 

「一瞬で頭の中が真っ白になりました

こんなの土方さんに頭を思い切り殴られた時以来です。」

 

 

「もっとマシな表現はねぇのかよ。」

 

 

拳を目の前でちらつかせると,総司はおどけて見せた。

そんな風に笑っていても,総司もまだ混乱してるのだろう。

 

 

『笑って誤魔化す所も似てやがる。』

 

 

前から思っていたが,やっぱり総司と三津はどこか似ている気がする。

 

 

「道が覚えられないのも怖くて外が歩けなかったからかもしれませんね。」

 

 

今度はしゅんと眉を垂れ下げた。

似た者同士だからこそ分かる痛みがある。

 

 

「覚える気もなかったんだろうよ。」

 

 

素っ気なく吐き捨てて,土方は歩く速度を上げた。

後ろから,冷たい,ひねくれ者と罵声が聞こえたが聞こえぬふり。

 

 

三津は今何をしているのか,どう過ごしているのかが気になって仕方なかった。

 

 

『あんなガキ相手にみっともねぇな。』

 

 

あんな話を聞いた後だから,三津がまた死にたい衝動に駆られてないか心配になった。

 

 

三津の為に必死な自分が可笑しい。

そんな胸の内は総司には悟られまいとわざわざ厳しい表情を作った。

 

 

 

 

 

 

屯所の門が見えた所で土方の足が止まった。

 

 

「どうしました?」

 

 

小首を傾げて土方の後ろから前方を覗き込んだ。

土方の視線の先には門の前でうずくまる塊。

 

 

土方はその塊目掛けて真っすぐ進んだ。

 

 

「隙だらけだ馬鹿。」

 

 

俯いている頭に小突く程度に拳骨を落とした。

 

 

「あお帰りなさいませ。」

 

 

ぱっと顔が上がり目元が綻んだが,すぐによそよそしい態度を取る。

 

 

「俺が無事に帰って来たのが不満だって顔してんな。」

 

 

「そんな事ないですよ!」

 

 

勢い良く立ち上がって滅相もないと首を激しく横に振った。

 

 

「じゃあそんな顔すんな。

で,こんな所で何やってんだ?護衛もいねぇじゃねぇか。」

 

 

出掛け際に今生の別れなんて言ったから,間違いなく心配になってここで待ってたんだろうけど,

 

 

「ここで一人で何してた?」

 

 

心配で待ってたと,三津の口から言わせたい。三津の正面で仁王立ちをして,挙動不審な目の動きをじっと見つめた。

 

 

「何してたって待ってたに決まってるやないですか。

あんな言い方して出てくなんてズルいです。」

 

 

心配しない訳ないでしょと恨めしそうな顔をする。

眉を八の字にして,ちょっと泣きそうになりながらも唇を噛んで,怒ってますと言わんばかり。

 

 

『総司に背を向けてて良かった。』

 

 

土方は満足感に満たされて,にやけそうになるのを必死に堪えた。

 

 

「無事ならいいんです。」

 

 

三津はふいっとそっぽを向いた。

その仕草一つ一つに土方の表情は緩んでいく。

 

 

久々に心の距離も近づいたと思ったのに

そんな和やかな時間も束の間だった。

三人の目に両脇から担がれた隊士が飛び込んで来た。

 

 

「どうしたんですか!?

 

 

「背後から斬られたんだ。」

 

 

隊士に駆け寄った三津が凍りつく。

間の悪さに総司も表情をひきつらせた。

 

 

『こんな時に。しかも背後から斬られただなんて。』

 

 

担がれた隊士の右肩には真新しい血が滲んでいた。

 

 

「早く手当てしないと。」

 

 

三津は青ざめた顔で隊士の右側に回り込み,止血を試みた。

 

 

「それで相手は討ったのか?」

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